君の隣で~☆星空☆続編~【完】
そんな、あたしの不安も知らずに守は家をすんなり決めた。



今の実家からは車で40分位かかる場所。


電車ならもっとだろう。



1度だけ、守はこの辺で1人暮らしをしていた事があるらしい。



そんな話さえ、あたしにはどうでも良かった。



新しい町……
“あたしと、愛はここで暮らすんだ”



そう思うと不安だらけでしょうがなかった。



「ねぇ、本当にいいの?」



守が契約金を現金で出してる姿を見てあたしは呟いた。



契約書に書いてあるあたしの名前



【婚約者】



その言葉になんだかとてつもなく変な感じがした。





「飯でも食うか!!」


あたしの話しの答えなんて無視して、元気で言う守の言葉にただうなずくだけだった。




色んな感情があたしの中で葛藤する中




少しだけ……
もう働かなくていいんだ……


そんなどうでもいい事を考えていた。



きっと、守もそうだったに違いない。


家の事はしなくていい


ご飯も作ってくれる


掃除も、洗濯も……


愛を求め合う事がない
あたし達2人の生活が始まろうとしていた。




< 80 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop