やっぱり好き
「ピンポーン」

「はーい」

私は美南海を自分の部屋に上げるとさっそくガールズトークをした。

「そういえばさ、今日切ないことがあったんだよー?誰かさんが佐藤ばかり見てるから」

「切ないこと?」

「これ、言ってもいいのかなー?」

「なになに?きになるじゃん!」

「今日佐藤が前に出るとき見てたでしょ?」

「あー、うん?」

「そのとき、あの人あんたのこと見てたんだよ?」

「え・・・・」

「でも、あんたが佐藤のこと見てるから、はぁーって顔して「俺言う気うせたわ」って言ってたよ?」

「え・・・・・・・」

「なにやってんの!」

「そんな・・・・・・」

また私は馬鹿なことを・・・・・

はぁー・・・・

「しかもさ、掃除時間とかもチラチラ見てるし?」

「本当に!?」

「うん」

見てる・・・・

かぁ・・・

どうしよ・・・・すごく嬉しい・・・・・

その晩私はずっと俊也のことを考えていた。

こんな小さいことでもものすごく嬉しくて、

例え嘘だとしても、

私にとってはすごく嬉しかった。
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