囚われた、あなたの腕の下。
執拗な連打で、耳がおかしくなる。
怖い……。
テレビとかで、ストーカーの話しをたまに見たりしたけど、まさか……本当に。
もう、恐怖で動けなかった。
声も出ない。
布団に入って、ただ耐える。
過ぎ去るのを……。
涙で、視界が滲む。
その時、携帯が軽快な音楽を奏でる。
マズイ!
とっさに手に取り、音を消す為に、メールを開いた。
『いるのに……なんで、開けてくれないの?』
この内容に、震えが一層強くなる。
すると、ピンポンっという音が止まった。
止まったと思った瞬間。
【ガチャ!ガチャガチャガチャガチャっ】
ドアの部が激しく上下しだした。