囚われた、あなたの腕の下。
頭側は、全てスライド扉になっていた。
3つの区画になっていて、左側から、本棚、物置、クローゼット。
白い壁……だけど、ココだけはピンクになっていた。
少し、足がしっかりとしてきた。
ココまでくれば、怯えている暇はない。
恐怖なら、もちろんある。
だけど、あの電話のけたたましい音に、毎日襲われるより、まだ精神的には楽だった。
あたしは、1つ目の扉に手をかけた。
レバーを上から下へ、そして押す。
【ガチャン】
引く!
【ガチャン】
この扉は、開く気配すら見せなかった。