囚われた、あなたの腕の下。
下を見る。
目下に映るのは、小さな車と、人。
その大きさから、高い所にいるのは、間違いではない。
「な、え……」
ゆっくりと、地に足を付ける。
また、目眩がした。
薬のせいか、現実のせいか。
ふらふらと足を部屋に戻した時。
奥の扉から、【ピピっ】という音がした。
(誰か……入ってくる)
たぶん、透だろう。
だけど、あの人はにっくきストーカー。
あたしは、とっさに物置に隠れてしまった。
【ガチャ】
っと、あたしでは開かなかった扉が音を立てた。