囚われた、あなたの腕の下。
増えつづける受信BOX
透と別れて、1ヶ月がたった。
あれから、連絡もしていない。
あたしは、透のいない日常に慣れはじめていた。
そんな時、仕事場に新人が現れた。
「初めまして、金菱アラタです」
その容姿に、社内の女の子はざわめいた。
中性的な顔に、少し茶色い髪。
クリっとした目は、何故か……あたしを離さない。
「えっと……柳井愛理さん?」
「は、はい……」
「どーも、仕事内容を部長が、教えてもらうようにって……よろしくお願いします」
屈託のない笑顔で、そう言われあたしは戸惑った。
「は、はい……」
彼は、あたしの隣の席に腰を下ろすと、荷物を解いていた。
あたしは、それを手伝う。