S系少女
…初めて女子から告られた。


それも、今日初めて会った女子に…。



クラスメイトの前での出来事で、まるで選択肢を与えられないこの状況…



答えは1つ



“イエス”



…て、いいのか?


本当にこれでいいのか?!



「…よくないっ!」


俺は法華の腕を引っ張り、教室を飛び出した



「ヒューッ」


教室からはそんな声が響いていた




────たどり着いたのは、廊下の突き当たりの誰もいない教室


鍵が開いていたので飛び込んだ


中に入るなり、鍵を閉めた



「どうしたんですか?夾ちゃん…」


「どうしたはこっちの台詞だって!…てか…何で教室で…てかさっき初めて喋ったばっかなのになっ──」



…もしかして俺がおかしいのか?!


今どき教室で告白なんて普通なのだろうか(あの男子もそうだったし)



「…。」



ンなわけねぇっ!!


「…てか何でその…好き…って…?」



法華は「あぁ~」という顔をして頭を上下させた


まるで教室を抜けた理由を今、知ったかのように。



「そうそうっ!…夾ちゃん、実は私も好きなんですよ~」


「だから好っ───…え?“私も”?」



「うん!夾ちゃんも好きなんでしょ?森ニャコ」


「…は…?」



森ニャコ…?


森…



“「あんたの鞄何か寂しいわねぇ。これじゃ高校行っても彼女出来ないわよ?」


「ほっとけょ母さん!てか関係ねーだろ」


「あるわよー。そうだっ!せめてこれ付けとけば?さっき大村さんから戴いたのー可愛いでしょ?」


「何これ?猫のキーホルダー…何かのオマケ?」


「そうよー森のニャコニャコ家族っていうお菓子に付いているんだって。同じの出ちゃったからってくれたのよー。母さんもぅ一目惚れっ」


「はぁ…。(大村さんも大村さんだけど母さんも母さんだな)…まぁいいけど…。」”



…あれか─────ッ!!

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