S系少女
帰りの車内では、母さんはハイテンションだった



「あんたー…よかったじゃん。入学初日にあんな可愛い子から告白なんて」


「…」



やっぱ勘違いしてるし…


「こりゃ母さんのあげた花代のお陰だね」


「花代…?」


「森ニャコのことよっ」


「あー…(森ニャコの“お陰”じゃなくて“せい”なんだけど。)」



「で?もちろん付き合うんでしょ?皆あんなに盛り上がってたし、後に退けないわよねー男として。」



む…


問題はそこだ



付き合うとかの話じゃなくて、皆の誤解を解かなければ何にもならない



だからと言って、正直に言うと俺の立場がなくなるし…


話を進めて、俺がフったことにすると法華が───…



っどうすればいいんだ───ッ!!




「そりゃ付き合うしかないっしょ。」


次の日、法華の左隣の女子に廊下に呼び出され言われた一言。



勘が鋭い彼女は、昨日の俺の様子がおかしかったことに気付き、理由を話したら「やっぱねー」と頷いていた(昨日一番に拍手してたくせに)



「口だけでもカップルってことにしとけばどっちも笑われずに済むし、ある意味法華の男避けとして利用…丁度いんじゃない?」



「(今はっきり利用って言ったよな)…でもある意味もう笑われてるし、てか男避けなんて俺関係ないし…」



正直、そこまで法華に関わるつもりもないし。



「ふっ…甘いね。」
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