S系少女
腕組みをしていた彼女が不敵な笑みを浮かべた



「あ…甘い?」


「そう!君は甘い!!」



今度は指を指して来た。



「甘味料ですか??私にも下さい───♪」


「法華…;;;」



意味が違うのに“甘い”という言葉に反応して、法華が何処からともなく顔を出した。



───てか“甘味料”て…。



「はいっコレあげるから教室戻りな。」


「わぁいスルメだぁ!ありがとです、梨世ちゃん」



甘くねぇだろそれ!!



…と突っ込みたい気持ちを抑え、大人しく教室に戻っていく法華の後ろ姿を見ていた。



そしてドアの前に来たとき、こちらを振り返った。



「…何の話してるんですか?」



今聞くんだ、それ?!!



「秘密の話♪」


「そうっ、ひ…秘密の!」


「…ふぅん…。──そうですか…。」



そう呟き、法華は教室に入っていった。



「…?」



それも、何だかテンション低くなってなかった…??



「あれは嫉妬だね。」


「は?嫉妬って…」


「だって見たでしょ今の態度?本当法華は判りやすいんだからー。」



「…何が判りやすいの?」


彼女が何を言っているのか判らず、質問した瞬間に耳を引っ張られた



「法華はあんたのことが好きなのっ!あの態度見て判んないなんて、もしかしてバカ?」



「え…そ、そうなの…?(てか耳痛い…)」


「そうだっての!…ったく。だから男って嫌なのよ」



「…;;;(…だから耳…)」



やっと俺の耳を離した彼女は、そのまま教室に戻っていった。



「───…痛かった…。」

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