S系少女
そういえば、さっき彼女の言いかけた言葉


“君は甘い!!”



…何が??



だって別に、お互い損得がある訳でもない



ましてや昨日知り合ったばかりの赤の他人に



“法華はあんたのことが好きなのっ!”



…好意を抱くなんて更にあり得ない。




───あ。でも、昨日のあれ(法華の右隣)は別か。


凄い軽そうで、あんな言葉誰に対しても言っちゃいそうだし。



「おい」


そうそう、こいつ────



「…?!」



噂をすれば何とやら。(頭の中でなのに?!)



法華を狙っていた右隣の男子が、俺の肩を掴んでいた。


「…な、何…?」



振り返ると、昨日同様殺気が感じられた。



「お前さぁ…法華と本当に付き合うの?」



肩を掴んだまま眉間にシワをよせた表情で聞いてきた




──ここは正直に、あれは誤解だって言った方が…



「あっ…────」



俺は言いかけた言葉を留めた。



…思ってみれば、ここで事情を話せばこいつがつけ上がるだけだし



───いや、法華本人は気にしてないみたいだけど。


でも何か…そういうのって、見てる方が嫌だ!!




「?何だよ」



俺に見兼ねたらしく、更に表情を歪ませた。



「あー…えと、…それカッコいいね」



言葉に焦った俺は、すかさず彼の首に掛かっているロザリオのネックレスを指差した。


正直、別にどってことないんだけど。



「は?…あぁこれ?中々イカすだろー結構したんだよなー」



そう言って得意気に鼻をならした。




…単純。(笑)

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