S系少女
その時丁度、授業開始のチャイムが鳴った。



…助かった…



「とにかく、てめぇには負けねぇからな!その内とってやる、覚悟しとけよ」





去り際に吐き捨てた台詞。


…やっぱ勘違いしてますわ…。




────これが正しい選択だったのか判らない。



法華の為になるのかも判らない(自分にはマイナスだろうけど。)



…でも、さっき彼女の言ってたことの意味が何となく判った気がした。




…まぁ、どの道いつかは修正しなくてはならないってことは確かだな…。




そして先生が来る前に、俺も教室に戻った。




「───起立ぅー、礼ぃー、着席ぃー。」



委員長が決まっていないため、自動的に決められた出席番号1番の女子が面倒くさそうに号令を掛けた。



そんな姿を笑顔で見守る法華。



「ふふっ…可愛いー。」



何が?!


…やっぱり、この人イマイチ分からんわ…。




「いや、法華のが可愛いってー」



間もなく、同じく後ろからそんな台詞を耳にした。



…出たっ右隣!



まるで俺に聴こえるようにしているのが分かる。



それでも逆に羨ましいくらい積極的で


「あはは。…あっ理科の教科書どれでしたっけ?」


「…。」



普通にスルーされているのが、少し可哀想な気もした。

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