S系少女

「ファアア~…よく寝たっ!」



俺は佐央夾(サナカキョウ)。



今まで平凡な人生を過ごしてきた


そして、彼女いない暦15年



…て明日で16年になるんだけど。




────今日から学校の遊び友達とも別れ、“高校”という新しい土地に足を踏み入れる。



…緊張するなぁ…



友達何人出来るかな…(小学校?!)




…まぁ、何とかなるか。



どうせこれから3年間、また何事もなく平凡な日常が待っているんだろうなー…。



「準備できた?」



いつもよりケバ…化粧をした母さんが、開けっ放しのドアから、ヒョコっと顔を出した



「うん。…あっ母さん、入学案内の紙持った?」


「あっ忘れてた!」



本人よりバタバタ忙しい母親。




その動きを一部始終傍観していたら、「車に乗ってて!」と足を踏まれた。




…そして5分後、車が動き出した




窓の外を眺めていたら、先月まで通っていた中学校が見えた




あれを“母校”と言うのが、少しだけ寂しい気がした




───そして目的地に着いた。



車から下りると、途端に先輩の群れが押し寄せてきた



…恐い…。




奴らの目的は部活の勧誘らしい。



ユニフォーム姿の剣道部とレスリング部の、“暑そう”または“寒そう”な格好を見て、そう思った

< 2 / 41 >

この作品をシェア

pagetop