S系少女
「…ちゃんっ夾ちゃんっ」


誰かの声で目が覚めた時には、授業が終了し昼に入っていた



…そういえば、誰かと話し途中だったような─────


「やっと起きましたね」



そうだ…法華だった…。


「えっと…あの──」



何とか誤魔化さないと…!


寝ぼけながらも、その場を上手くかわすための言葉を必死で探す



「…あっ、誕生日!実は今日、俺の誕生日なんだよっ…だからおめでとーって…。」



今日が誕生日だってのは事実だけど、いかにも苦し紛れな嘘で自然と声も掠れる。



何せ基本、嘘は嫌いですから。



「…。」



────あれ?無反応??


…もしかしてバレた…?!




────ガタッ



俺が焦り始めたのと同時に、法華が勢いよく席を立った



「…え?」



見上げると、法華は目を見開いていた



そして、何も言わずどこかへ走っていった。




「…何なんだ…?」



────数分後



息を切らした法華が帰ってきた。


「どこ行ってたん?」



話してる途中で行くんだから、何か特別な───



「…お昼…買ってきま…した…」


右手にしっかりと握られているコロッケパンがその証拠。



いや、でも何であのタイミング?!



…やっぱ分からんわ。


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