S系少女
放課後になり、俺は一番に教室を出た



早く帰って、親にケーキでも買わせようという考え。



…男子だけど甘党でも、別にいいよね…?




そして下駄箱で靴を履き替えていると、誰かが俺の肩に触れた



振り返ると、そこには法華がいた。



「?よう。…何?」


「夾ちゃん、今から帰るんですか?一人?」



…帰るから今ここでこの体勢なんだけど…



「…うん、まぁ一人だし…」



「そうですかっ!偶然ですねー私も一人なんですよーじゃー一緒に帰りましょうー♪」



笑顔と棒読みの台詞が噛み合ってない…



────まさか、左隣が何か吹き込んだのか?!


俺は辺りを見渡したが、それらしき人影はない。



「夾ちゃん…?」


「えっ、と…いいけど…」

「よかったです!」



そして法華が靴を履き替えたのを確認してから校舎を出た



…一応まだ付き合ってるってことになってるし、断る理由もないから。



───法華は何のつもりか知らないけどさ。




そして公園の前に差し掛かったとき、法華が俺の制服の袖を引っ張った



「ちょっと一休みしましょう」



…早く帰りたいんだけど本当に。;;;


さっきから法華の速さ(遅さ)に合わせて歩いてるし



「…いいよ」



───でも、たまにはいっか。



誕生日に女子と一緒にいるとか初めてだし



…てか、初めての彼女が本当は付き合ってない、なんて意味分からないし切なすぎだろ。;;



そして、空いていたブランコに二人並んで座った



こうしてみると、本当に付き合ってるみたいだ。



「夾ちゃん」


隣から呼ばれ振り返ると、小さな箱を手のひらに乗せ笑顔の法華が



「ハッピーバースデー♪」


と言った


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