S系少女
「あ…りがと」



突然のことで驚いたのが先で、段々と嬉しさも込み上げてきた



「…!まさか、昼にいなかったのって…」


「そう!これを取りに行ってたんです♪でもバレないようにパンも買ってみたら…逆に怪しまれちゃいました。」



「(取りに、って何だ…?)…てかわざわざタクシーとか使ったの?それか自転車通学…」



「ううん?徒歩ですよー。…あれ?でも走ったから徒走…?」



「へぇ、そうなん…って速ッ!!」



俺の中の法華のイメージは、天然で遅いしワケ分からん→天然なのに速すぎて本気で分からん


になった。



「中、見てみてください♪」


頭の中で整理をしていると法華に促されたので、包み紙を開いた



すると───



「…“限定!森のニャコニャコ家族”───え?」


「はいッ森ニャコです!それもこれ、森ニャコ会員の…それも50人限定に当たるレア物なんですよ!当たったって聞いて、お昼に取りに行ってきました♪…別れは寂しいけど…森ニャコ仲間の夾ちゃんに譲ります!!」



あぁ、取りにってそういうことか。



てか何か泣いてるし!!;;;



「…気持ちはありがたいけど、せっかく法華が当たったんだからこれは法華のだよ。──それに俺も会員だしっ。こういうの自分で当てたいじゃん?」


「夾ちゃん…」



…本日2度目の嘘っぱち。


これについても誤解を解かないとな…;;;



「本当にいいんですか?後悔しない??」


「しないよ(するわけないよ)」



「そっか…でも渡すものなくなっちゃっいました。どうしよ…」


「気持ちだけで充分だよ」


「嫌…私が困りますーっ」


何で?!



「そうだっ!」



法華は何か思い付いたように、鞄をあさり出した


そして中から一本のカラフルなヒモを取り出した。



「これプレゼントです♪ミサンガっ一本取ったつもりが二本買っちゃってて…」


やっぱり天然。


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