S系少女
「私、真城法華(サナギホウカ)です。」



いきなり自己紹介してきた


そして、掌を上に向けた左手をこちらに差し出した


…きっと「あなたは?」の意味だろう────無言の訴えだ。



「俺…は、佐央夾(サナカキョウ)」


「じゃあ夾ちゃん、ですね!」


“ちゃん”…って…。


「名字近いですよね。1文字違い…て、2人とも“さな”は同じで、“か”と“ぎ”が違うだけだぁッ!凄い凄いっ何か感動しましたぁ」


感動って…



「あ。私は法華って呼んでくださいね♪」


「あ…はぃ…。」



…もう何でもいいや。

法華のペースに流されたまま、俺は気にしないことにした



───そろそろ式が始まるかな?


周りにはいつの間にか生徒が着席していて、騒いでいるのは俺達2人だけ



「…じゃ、ほ…法華、もう挨拶始まりそうだから───」


俺はまだ話し続けている法華の無駄口を止めようとした



────ギュッ


そして横を見た瞬間、俺の右手を小さな両手が包み込んだ



「っ?!」


「これって運命ですよね!!」



う…運命?!!

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