S系少女
「ねぇ、法華ちゃんて彼氏いんの?」



なっ…

なんて直球なんだ…っ



その男子は身を乗り出し、法華に問い掛けた



…べっ、別にすぐ前の席だから耳に入るだけだからな!


気になって聴いてるわけじゃないからなっ!!



俺は自分に言い訳して、耳を傾けることに思いきり神経を集中させた



「…彼氏ですか…?」


法華の声だ



俺はあえて前を向いているので、声で人を判断するしかない



「うん。誰かいんの?」


「え…誰か…って、誰でしょう?」



誰でしょう?…て何?!



「いや、だから…男はいんのかってこと」


「?いますよっだってあなたも男の子でしょ?あと…夾ちゃんもほら♪」



何その返し!!

てか何で今、俺?!


背中からその男子の痛い視線を感じたが、気付かないフリをした



「…法華ちゃんて面白いね」



明らか、男はバカにしたように鼻で笑った


「…とりあえず、もしいないなら俺とかどう?法華に一目惚れした!」



…っな────?!!

…て呼び捨てになってますけど?!



「でも…、今初めて知り合ったばかりだし…」


「これから沢山話せるじゃん♪まぁ今すぐ返事してなんて言わないからさぁ」



…チャラい男だなぁ…


───そして、保護者会を終えた親達が教室にゾロゾロと入ってきた



ドスッ


机の上に置かれた俺の鞄


「もー自分の鞄くらい自分で持っていってよね!」


ワザトらしく頬を膨らます母さん



そういえば鞄預けてたの忘れてた;;;

< 7 / 41 >

この作品をシェア

pagetop