明日はアシタの風が吹く!〈第六話〉
オープン・ザ・坂田
「これ何でしょうね?」

アバラの砕けたモヤシ男さんが問う。

「アホ?」

アホ犬、またの名を坂田が首を傾げる。

「こ、これは……!」

俺、モヒカンはと言えば演劇ばりのオーバーリアクションで驚愕する。
何があった、って。
そう大したコトじゃない。

ほら、“犬の首んとこに着ぐるみのファスナーが付いてた”って話。

よくある話だろ? HAHAHAHAHA……

「いや、よくある話じゃないよね! うん!」

全力で自分にツッコミを入れてみる俺。
その“よくある話じゃない話”に驚きすぎてアバラ折れそう。もちろんモヤシ男さんの。

「どどどどうしますか」

「どうするったってファスナーですよファスナー! 犬! こいつ犬なのに!」

「アホ?」

そうだ、こいつは犬なんだ。そんな困ったときに頼れるのは、

「よし、ムツ────じゃなくてミツゴロウさん! ヘルプです!」

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