ケータイ小説とチョコレート
あー幸子って呼ばないで私はカノンよと言いたかったが、我慢する。
私はスウェットにサンダルを履くとアパートを出た。
大人は分かってないのだ。
自分達の感覚がおかしい事を。
いつの時代も大人は分かってないのだ。
カノンである私は確信していた。
コンビニまで数百メートルだが。身体が重くてめんどくさい。
体重計には、乗らないようにしてる。
私カノンは、乙女ですから。
コンビニに、着くとチョコレートを三種類買う。
ケータイ小説の甘さとチョコレートの甘さが絶妙なバランスで引き立て合うのだ。
私は、帰る前に一つ食べてしまった為にもう一度コンビニに戻る。
帰ったら初めてのオフィスラブの話しを読もうと思う。
だって私は中学二年だもんもう大人よ大人の世界を覗いても良いでしょう。
チョコレートを食べながらゆっくりカノンは大人の世界に浸るのだ。
私はスウェットがきつくなっているのに気づいたが、そんな事を気にする暇なんてカノンにはないのよと思った。
完