二度目の片思い
「……あの、それで、えっと……」

「………」



──言わなくちゃ。私の、気持ち。

頭ではそう思うのに、無言でまっすぐこちらを見つめる越田くんを前にすると、声がうまく出てこない。

──拒否されたら、どうしよう。興味ないって、突き放されたら。

どんどん、どんどん。悪い考えばかりが、頭をよぎる。

そして、私は……ぎゅっと、からだの横の両手を握りしめた。



「えっと、今までありがとうの、感謝の気持ち。2年間同じクラスで、部活のときも、お世話になったから」

「──、」



昨日必死で考えものとは違う言葉たちが、ぽろぽろとこぼれ落ちる。

相変わらず無言の彼に向かって、私は精一杯の笑顔を向けた。



「本当に、今までありがとう、越田くん。卒業後は離れちゃうけど、元気でね」

「……藤咲、」

「あの、お返しとかは、全然気にしなくていいからね。ほんとに、感謝の気持ちを伝えたかっただけだから」
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