二度目の片思い
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懐かしくて苦しい思い出に浸っていると、じわり、涙がにじんできた。

ああ、やだな。もうすっかり、過去のことにできたと思ってたのに。

でも、だいすきだったんだよなぁ。笑顔も、真剣な表情も、全部。

……全部、だいすきで。だからほんとは、その気持ちを伝えたかったんだよなぁ。


声を押し殺して、溢れ出る涙を堪えていると。



「──泣いてんの?」



唐突に、頭上から降ってきた声。

どくんと、心臓がはねた。
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