二度目の片思い
「……越田くん!」
そして、2月のあの日。
彼女に呼び止められた俺は、正直どこか、期待をしていたんだと思う。
「えっと、今までありがとうの、感謝の気持ち。2年間同じクラスで、部活のときも、お世話になったから」
「──、」
……だから、彼女にああ言われたその瞬間も。
とっさに、上手い返しが出て来なかった。
「本当に、今までありがとう、越田くん。卒業後は離れちゃうけど、元気でね」
「……藤咲、」
「あの、お返しとかは、全然気にしなくていいからね。ほんとに、感謝の気持ちを伝えたかっただけだから」
そう言って、冷たい外気に晒されて赤くなった頬を、自分の指先でこする彼女を見ながら。
すうっと、自分の頭の中も、冷えていくような気がした。
そして、2月のあの日。
彼女に呼び止められた俺は、正直どこか、期待をしていたんだと思う。
「えっと、今までありがとうの、感謝の気持ち。2年間同じクラスで、部活のときも、お世話になったから」
「──、」
……だから、彼女にああ言われたその瞬間も。
とっさに、上手い返しが出て来なかった。
「本当に、今までありがとう、越田くん。卒業後は離れちゃうけど、元気でね」
「……藤咲、」
「あの、お返しとかは、全然気にしなくていいからね。ほんとに、感謝の気持ちを伝えたかっただけだから」
そう言って、冷たい外気に晒されて赤くなった頬を、自分の指先でこする彼女を見ながら。
すうっと、自分の頭の中も、冷えていくような気がした。