二度目の片思い
だけどまさか、いきなりお持ち帰りをしようだなんて、大それたことは考えてなくて。

とりあえず連絡先を交換し、その後少しずつ、近付こうと思っていた。

……なのに。



「ちょっと彩音ちゃん、大丈夫ー??」

「えへへ、へーきへーき」



一次会会場を出た時点での藤咲は、すでに足元も覚束ないほどフラフラに酔っぱらっていて。

となりの奴にかなり飲まされてたしなぁ、と、俺は少し離れたところでこっそり様子をうかがいながら歩いていた。

──そして、二次会が始まって数十分後。

事件は、起こったのだ。


本当に、ただ何気ない会話をしていただけだったように思う。

たしか今だから言える高校時代のぶっちゃけ話だとか、そんな感じの話題で盛り上がっていた。

するとそんななか、藤咲が。



「えっ、ちょっ、藤咲さん?!」

「ふ、うぅ~……ひっく、」



突然、ほんとに突然、ボロボロと泣き出したのだ。
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