二度目の片思い
なんで、どうして。

一体どういう流れで、私と越田くんが?

混乱する頭のまま必死に昨晩の記憶を探ろうとするけど……一次会の会場を出たあたりから、何があったかまったく思い出すことができない。

こんなになるまでアルコールを摂取したのは、生まれて初めてのことだ。

とりあえず私は落ち着こうと、その体勢のままゆっくり深呼吸を繰り返す。

ふぅ、と息をついて、改めて目の前の男性の顔を見つめた。


……やっぱり、越田くんに間違いない、よね……。

かたくまぶたを閉じて寝息をたてるその顔はなんだか幼くて、高校時代の彼とぴったり重なる。

クラスメイトで、野球部だった、越田くん。

当時想いを寄せていた彼が、今、自分の目の前にいる。

その事実に、きゅうっと、胸が締めつけられた。
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