二度目の片思い
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彼と初めてちゃんと言葉を交わしたのは、クラス替えをした高校2年時の、最初の席替えだった。



「あ、となり藤咲?」



言いながら彼は運んできた机を、よいしょと呟きつつすでに席についていた私の横に並べる。



「うん。1ヶ月よろしくね、越田くん」

「こっちこそよろしく。つーかさあ、前から話したかったんだけど、藤咲の名前って『彩音』っていうんだね」

「え? うん。……それがどうかした?」



不思議に思って訊ねると、越田くんはニッと笑って頬杖をついた。



「いやーだって、『彩る音』で『あやね』ってさ。吹奏楽部員に、ぴったりの名前だなって」

「へ、」



越田くん、私が吹奏楽部って、知ってたんだ。

意外に思いながら、私は目を瞬かせる。

そして今度は、私の方から口を開いた。
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