Love is like a storm.

「怒らないで下さいよ先輩ー!

ほら、温くなる前に
飲んでください!」

「………ありがと。」

「どういたしまして」

暑さに負けないくらいの
笑顔で手渡され、
おずおずとメロンソーダを
受け取る。

珍しく優しい平川に
何だか、照れ臭くなった。
小さくお礼を言う。

「へへっ」

「何笑ってるの…。」

平川が私の反応を見て笑う。

でも、いつもの嫌な気持ち
じゃなくて

…ちょっと嬉しい、なんて。

この暑さのせいで、
私も平川もおかしいのかな…。

そして、貰ったメロンソーダを
開けて飲もうとすると、

『2年A組平川、
放送席まで来て下さい。』

多分放送係の用で
平川が呼び出されたようだ。

「やべ、行かなきゃ

じゃあね、先輩!」

平川は急いで放送席まで戻って行った。

うるさい後輩が居なくなった
途端にぽつんと効果音がしそうな程、
静かになる。

そして何故だか寂しさが残った。

(平川…本当にうるさい奴…
でも…ちょっとは…)

眩し過ぎる空を見上げ
メロンソーダを一気に飲み
自分も仕事場所へ戻った。
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