Love is like a storm.
用具係の所に戻ると、
すずが汗だらだらで障害物競争の用具を運んでいた。
「んーしょ!んーしょ!」
「すず!大丈夫!?」
「あ!みなたーん!
これ重くって…!助けてー!」
「よいしょっと!」
力には少し自信がある。
すずが持っていた用具を持ち上げる。
「わー!みなたんさすが!」
「でしょ!」
すずは最初、救護係だったのに
用具係の女子が私1人で
こっちに移って来てくれた。
すずのこういう優しい所が
好きだなぁ、と
ピンクのタオルハンカチで
汗を拭いている本人を見ながら思った。
すると、
「美那ー!すずちゃん!」
「礼香!夏!」
吉田礼香。茶道部。
同じクラスで私の親友。
毎回学年1位という秀才。
神谷夏。帰宅部。
同じくクラスメイト。
礼香とは反対に勉強せず
絵しか描いていない。
そして、私をみなみなと呼んだり
人にあだ名をつけるのが好きだ。
「あれ、2人とも帰って無かったの?」
「先生に生徒会の手伝いしろって言われてさー」
「それで、みなみなとすずりんを
手伝いに来たよーう!
あと差し入れ!」
「ひゃっ!」
本日2回目の頬につけられた冷たい物はさっき平川に貰った物と同じ、
メロンソーダだった。