初恋の続きをもう一度【完】
12年ぶりの
部活終わりの放課後。
あたしは駐輪場に今いる。
すると体育館のドアから、私が心待ちにしている人物が出てきた。
バスケのバッシュを持ち、男友達と話してるその人物に。
そう、涼晴先輩に―。
ずっと逢いたかった。
12年ぶりに見た涼晴先輩の顔。
懐かしさと嬉しさが込み上げてきて、思わず見とれてしまった。
「あーりーさ。
なぁに、見とれてんの?」
荷物をチャリの荷台に付け終わったあずにゃんが言った。
「別に。見とれてなんかないし」
「ありさってばホント素直じゃないよね~。
素直になったらちょっとはモテるのに~、顔可愛いんだしさ。」
「何それ!?
今はかわいくないてきな!?
もー余計なお世話だっつうの」
ムッと不貞腐れて言う私。
「はいはい。
もう準備終わったんなら行こー。
それとも~もっと見つめていたいのッ?♡」
最後の方は満面の笑みでウインクして言う姿に、私は苦笑した。