先輩、
「騙されたんじゃないの?」
美奈子せんぱいが笑う。
…ちとせに感謝しなきゃね。
あたしと先輩の距離を、
こんなに縮めてくれたんだから…。
きっと、
今までの中で1番近くで先輩を見れた。
宏斗先輩は ちょっと困った顔をして
辺りを見渡してた。
「なんや損した気分やなあ!
大和ら 見失ったし~」
美奈子せんぱいは
そんな宏斗先輩を笑いながら
あたしの方を見た。
そして、
ふと思い付いたように言った。
「あ!!宏斗!!!!
暇なんだったら写真撮ってよ!」
宏斗先輩が
振り返る。
心臓がうるさい。