先輩、


「…洋ちゃん、よく聞いて?」






美奈子せんぱいは、


しばらくの沈黙のあと

あたしの目を真っ直ぐ見たまま





ゆっくりと 口を開いた。














「あのさ、私 洋ちゃんのこと大好きだし、本当は一つも隠し事なんかしたくないんだ。

 洋ちゃんのこと信用してるし、応援してあげたい。


 でも、これだけは あたしの勝手な判断で話していいことなのか わかんないんだ。


 本当にごめん。



 けど… それ以外なら、何でも協力できるから。言ってよね?」










美奈子せんぱいは、


そう言って 初めて少し不安そうな顔をした。







あたしの言葉を待ってくれてる。





自然と、涙がこぼれた。








「美奈子せんぱい…大好きです、、

 美奈子せんぱいが先輩で、本当に良かったあ…」






あたしは そのまま

涙を拭うこともなく

美奈子せんぱいに抱き着いた。













「私も洋ちゃんに会えて良かった!

 色々あると思うけど…がんばってね?


 洋ちゃんなら、きっと大丈夫だよ。」










3月にしては やけに暖かい日。








美奈子せんぱいが頭を撫でてくれた。

















そんなとき、












視線の先にあった校門から

1台の白い車が


入ってくるのが見えた。





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