我妻教育〜番外編〜
カメオのブローチは、ボクにとっておばあちゃまの形見であり、オシャレであり、それから、お守りだった。



フランス育ちのボクが、異国のジャパンに来て、実を言うと不安な気持ちもあったから…。




「あら。どういう心境の変化かしら?」


琴湖の問いに、ボクはニッコリ笑った。


「おばあちゃまが目の前で見ていなくても、ボクはもう大丈夫だ、って気づいたからだよ!

心に決めたコトに突き進んでいけるくらい、強い決心があるからサ(^〜^)b」



琴湖は、不思議そうな顔をした。


啓志郎は、いつものクールな表情で、「そうか」とつぶやき、それから眉間に険をこめた。

「…だが、そもそもが校則違反だったのだ」



「そのフリルのブラウスもよ」


すかさず琴湖も口をはさむ。


< 101 / 493 >

この作品をシェア

pagetop