我妻教育〜番外編〜

その壱

私は、中等部一年生になった。



今日は七夕。



「その進路志望用紙は、金曜までに提出するように!」

と、先生が言った。



休み時間。


私はその用紙を机に広げたまま、ぼんやり窓の外に目をやった。



去年までは、今の時期は、夢を短冊に書いていた。


短冊を笹に飾って、七夕祭。


それが初等部では、毎年恒例の行事だった。



中等部になったら、より明確な進路を短冊ではなく、進路志望用紙とやらに記入しなくてはならない。


学期末の三者面談時に必要なんですって。


といっても、クラスメートのほとんどが、このまま高等部に進学するんだけれど。




まずは、自己紹介いたしましょう。


私(わたくし)は、竹小路 琴湖(タケノコウジ コトコ)。


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