我妻教育〜番外編〜
「そのブローチもよ!

アクセサリーは禁止のはずでしょ」



琴湖は、ボクの左胸につけたカメオのブローチを指差した。



「このカメオ、ステキだろう?」


ボクは、カメオのブローチが琴湖に見えやすいようにボディの向きを変えた。



「素敵かどうかは問題ではなくてよ」



「う〜ん、でもね、カメオはボクにとっては、ただのアクセサリーじゃないんだ。

フランスのおばあちゃまがくれたものなんだ。

左胸、ボクのハートのそばで、おばあちゃまが、いつも見守ってくれているんだ」



ボクは、自分のハートに手を置き、琴湖に訴えた。




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