我妻教育〜番外編〜
けれど実は、“破門”はただの体裁にしかすぎないようなものだった。


当初は父は顔をしかめていたけれど。


趣向は違えど、花を愛し表現する情熱は、すでに両親も認めているの。



私も姉の作品は好きだし、仲も良い。


姉は私をよく作品制作の場にも連れて行ってくれるし。



メディアに取り上げられたとはいえ、まだまだキャリアは浅い。

貧乏なのかしら。

姉はいつもみすぼらしい姿をしている。



動きやすい、汚れてもよい、ってだけで選んだ仕事着は、飾り気のないTシャツとジーンズ。


化粧っ気もなく、邪魔にならないように引っ詰めた髪。

手は傷だらけだし。



お嬢様の名残はどこにも見受けられない。


だけど…


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