我妻教育〜番外編〜
その弐
私の家の敷地内にある竹林に囲まれた小さな離れの茶室。
ここは、よほど親交の深い人たちしか招かないプライベートな茶室だった。
だから、人の気配はほぼないと言ってもいいくらいの場所。
なぜかそこに隠れるように身を小さくしていた2人の子どもは、私の姿を見るなり竹林の中に走って逃げようとした。
私は慌てて呼び止めた。
「お待ちなさい!!
あなたたち、…確か、お名前は若葉くんと萌花さんだったわね?!」
2人の子どもは、名を呼ばれ、仕方なしに足を止め、怖ず怖ずと振り返った。
威嚇するような男児と、怯えた女児の目が私に向けられる。
この2人の子どもは、未礼嬢のご友人、桧周 友基也さんの実の弟と妹だった。
ここは、よほど親交の深い人たちしか招かないプライベートな茶室だった。
だから、人の気配はほぼないと言ってもいいくらいの場所。
なぜかそこに隠れるように身を小さくしていた2人の子どもは、私の姿を見るなり竹林の中に走って逃げようとした。
私は慌てて呼び止めた。
「お待ちなさい!!
あなたたち、…確か、お名前は若葉くんと萌花さんだったわね?!」
2人の子どもは、名を呼ばれ、仕方なしに足を止め、怖ず怖ずと振り返った。
威嚇するような男児と、怯えた女児の目が私に向けられる。
この2人の子どもは、未礼嬢のご友人、桧周 友基也さんの実の弟と妹だった。