我妻教育〜番外編〜
強張った顔で黙り込む若葉くん。


萌花さんは、若葉くんの後ろに隠れている。



日が長くなってまだまだ明るいとはいえ、もう7時を過ぎていた。


「…お家の方、心配されるわよ?」



そう言うと、2人は何かやましいことでもあるのか、あからさまビクッとした。


萌花さんは、若葉くんの服をギュッとつかんで泣き出す始末。


一体どうしたというのかしら。



全く意味がわからなくて困りつつ、けれど私は声をおさえ、優しさを心がけて語りかけた。


「…素敵な竹林でしょう?
我が家の自慢なの。

探検したいなら、もっと早い時間に来なさいな」



暗に帰るように促したけれど、2人は目線をそらしたまま黙りこくっている。

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