我妻教育〜番外編〜
「迷惑かけて、本当に悪かった」


桧周さんは、仕事を切り上げ、慌てた様子で私の家に現れた。

そして現れて早々深々と私に頭を下げた。



「いいえ。お気になさらず。
どうぞお入り下さいな」


私は、桧周さんを家に招き入れた。



桧周さんが現れたころには、若葉くんと萌花さんは疲れたのか、私の家の客間ですでに眠りに落ちていた。



「…ったく、何考えてんだか…」


桧周さんは、眠る弟妹を見下ろしため息をついた。


桧周さんの姿に私は少し驚いていた。



桧周 友基也といえば、背が高くて逞しい、鋭い目つきをした不良みたいな、強面の人だ。


まぁ、見た目と違って気の良い人ではあるんだけれど。

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