我妻教育〜番外編〜
赤かった短髪は、黒くなった。

そして、スーツを着ていた。


つまり、真面目な身なりに変わっていた。

思わずまじまじと見入ってしまう。



「お茶でもどうぞ」


一息ついてもらおうと、お茶をテーブルに乗せた。


「…悪いな、ありがとう」


神妙な顔でお礼を言ってくれた。


ついこの間まで、やんちゃっぽい高校生だったのに、見た目がきちんと真面目そうだと、内面までそれっぽく社会人に見えるものなのねぇ…。

と、一人勝手に納得してしまった。



でも、何だか表情が、
「お疲れのようですわね」


「あぁ、いや、まぁ、会社勤めはまだまだ慣れねぇからな」


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