我妻教育〜番外編〜
翌日の夕方、竹小路流の会合があって我が家に大勢のお客様がきていた。



私が客人の靴を揃えていたら、若葉くんが横にきて、さりげなく手伝ってくれた。


「あら、ありがとう」


感心してお礼を言ったけど、若葉くんは私と目を合わせようとはせず、


「…別に。世話になってるから」


と、ボソッとつぶやいた。



靴を揃え終わり、庭先に出る。


おいでと言ったわけではないのに、若葉くんは、私の後ろについて来た。



「兄ちゃんからメールがきてた。

琴湖さんに迷惑かけないようにって」


「…まぁ」



「兄ちゃんに連絡しただろ」


連絡しないで、って言ったのに余計なことしやがって、と言わんばかりの視線を向けられた。


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