我妻教育〜番外編〜
「お掃除手伝ってくれてありがとう。

お茶にでもしましょう。
萌花さんはお部屋かしら」


若葉くんと一緒に家に入った。



先程の客人たちに出していた湯のみを使用人たちが片付けていた。


片付ける使用人たちの中に萌花さんの姿があった。


お盆に湯のみを乗せて台所に運んでいる。



「まぁ!なんて偉いの!」


思わず声を上げたら、若葉くんは、平然と言った。


「別にエラくなんてない。
家ではいつもやってる。

兄ちゃんがいつも言ってる。
働かざるもの食うべからずって」



「そうなのね…」


裕福なお宅のご子息の口からこんな言葉が出てくるなんて。



心が洗われるような、とても新鮮な気持ちになった。



子どもたちだけで、力を合わせて生活してきたんだわ。

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