我妻教育〜番外編〜
それに、今は家出なんてしているけれど、若葉くんたちは、桧周さんのことが好きなんだということもわかった。



だって、この子たちは、いつ何時だってきちんと桧周さんの教えを守っているんだから。


素敵なご兄弟だわ。



感心しながら萌花さんの姿を見守っていたら、流し台に置こうとした湯のみ茶碗が、小さな萌花さんの手からこぼれ落ちた。



萌花さんは、慌てて床に落ちて割れた湯のみを拾おうとする。



「萌花!!」


危ない!

そう思ったときには遅かった。


若葉くんは萌花さんの名を呼び駆け寄り、手を取った。



「萌花さん、大丈夫?」

私も急いで萌花さんの側に寄った。

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