我妻教育〜番外編〜
いつもは日中に弟妹を見に来てもらっている使用人の方に、夜まで居てもらうように頼んでみる、と桧周さんは言った。



「いいえ。まったく迷惑ではありませんわ。
若葉くんたちとても賢いですから。

色々とお手伝いして下さって、こちらとしても助かってるんですのよ」



使用人が迎えにくるなんて知ったら、家には帰らないと言っているこの子たちが、どこへ行ってしまうかわからないわ。


だったら、このまま我が家に居てもらった方がいいもの。



桧周さんは何度か遠慮したけど、結局、今夜も弟妹を私の家に泊まらせることで話はまとまった。



『…本当に、助かるよ。悪いな』


桧周さんは、申し訳なさそうに、だけどホッとしたような息をついた。

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