我妻教育〜番外編〜
「悪くなどありませんから。
では、そういうことで。

お仕事頑張って下さいな」


『ありがとう』



私は電話を切って若葉くんを見た。


「桧周さん、お忙しいようですわ」



若葉くんは、うなずき、眉間にシワを寄せた。


「最近特に忙しそう。

本当は、オレらに構ってるヒマなんてないんだ」


「お兄ちゃん…」

萌花さんは、兄恋しそうにつぶやいた。


若葉くんは、そんな萌花さんの頭をなでた。





夜11時過ぎに再び桧周さんから電話が入った。


『悪い、こんな時間に。起きてたか?』



「いえ、若葉くんたちならもう眠ってますわ」


『いや、琴湖、お前が』



「…私?ええ、私ならまだ起きてましたわ」

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