我妻教育〜番外編〜
若葉くんは、友だちらしき5人ほどの男子生徒に話しかけられていた。


話しかけられているというよりは、詰め寄られていると言ったほうが正しい表現かもしれない。



その少年たちは、若葉くんを取り囲むようにして、何かを必死で訴えている。


近づいたら、その声がはっきりと聞こえてきた。


「若葉!今からでも考え直してくれよ」


少年たちのリーダー格と思われる少年(日焼けしていてポッチャリとした大柄な少年)が、若葉くんの腕をつかんだ。



「もう辞めたんだ」


若葉くんは、無愛想に腕を振り切った。



「来週、イエローベアーズの奴らと試合なんだよ!」


「エースの若葉がいないと、勝てるわけないじゃんか!」


「戻ってきてくれよ!」


「頼むよ!」


少年たちは、叫ぶように口々に訴えている。

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