我妻教育〜番外編〜
若葉くんと同じように、全員日に焼けた元気なスポーツ少年たちって感じだわ。


「ええ、親しくさせていただいているわ」


「だったら、若葉に頼んでよ!」


「え?頼むって、何を?」



「僕ら、松葉レッドチョッキーズっていうリトルリーグのチームで野球やってるんだけど、急にエースの若葉が辞めちゃって困ってるんだ!」



そういえば若葉くん、野球してたって言ってたわね。
辞めた、とも。


「…若葉くん、どうして辞めてしまったの?」



少年たちは、全員沈んだ顔で首を振った。


「わからない。
急に辞めるって、理由も言ってくれなくて」


「若葉、将来は野球選手になるのが夢だって言ってたのに…」



どうして…。


私を含め、この場にいた全員が若葉くんが去って行った方向に目を向けた。

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