我妻教育〜番外編〜
「…そう…ですか…。嬉しいですわ」


嬉しそうに笑ってみたけれど、…微妙だわ。

これは喜んでいいのかしら。

そもそも私と似てる?

どこが?

しいていうなら、黒髪ってとこくらいじゃないの?



人形を見つめ考え込む私の顔を見て、綾人さんは、こらえきれずに吹き出すように笑った。


「?!」


顔をクシャッとして肩を揺らして笑っている。


血の通わない人形などではなく、普通の若者と同じように。



笑われてる理由がわからないのと、綾人さんがこんな笑い方をするんだっていう驚きとが混在して、私はポカンと綾人さんを見つめた。



綾人さんは、笑いすぎて出た涙を拭うしぐさをしながら、尚も笑いながら話し出した。

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