我妻教育〜番外編〜

「どこにあったんだい？」



「…え…っと…」


キラトは、目を伏せて答えにくそうにいいよどんだ。



「いいから、話してくれないかい？」



ボクの質問に対して気をつかいながらキラトは遠慮がちに口を開いた。



「…トイレの用具入れの中に、落ちてたのを、偶然、見つけて…」



「…そうか。

せっかく見つけてくれたのに、こんなに破れてるから、もう使えないネ。

でもサンキュー」



ニッコリ笑って、キラトの肩にポンっと手を置いて礼を言った。



「…悔しくないの？

…先生とかに、相談したり、しなくていいの？」



キラトは、おずおずと上目で聞いてきた。




１組に編入してから、たまに、こういうことがあった。