我妻教育〜番外編〜
諭す口調も綾人さんだと嫌味がない。


綾人さんは、コミュニケーション能力に長けていらっしゃるんだわ。



ようやく若葉くんは、重い口を開いた。


観念したのか、または、本当は伝えたいと思っていたからか、ためらいながら、たどたどしくも。



「最近の兄ちゃんは、すごく疲れてるから、もしかしたら、会社入るのイヤで、後悔してるんじゃないかな、って。

だから、今からでも、オレと萌花に出来ることって、何があるんだろうって…、考えてた」



「…な…」


桧周さんは、戸惑いを隠せない表情で目をパチパチとしながら言葉につまった。

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