我妻教育〜番外編〜
「だからって…」


桧周さんは、その大きな手で、若葉くんの頭をポンポンと撫でた。



その手を振り払って、若葉くんはキッと桧周さんを見上げた。


「…だって、オレと萌花が親と暮らしたくないって言ったからじゃん!

だから、兄ちゃんは仕方なく…ッ!!」


「別に、仕方なくなんかじゃ…」



「ウソつくなよ!

オレと萌花は、兄ちゃんのお荷物じゃん!」


若葉くんの目に涙がにじんでいる。


萌花さんもグズグズと泣き出した。



若葉くんの本心を聞いて、桧周さんは、困惑した様子で交互に弟妹を見た。


「何言ってンだよ、お荷物なわけねェだろーが!」


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