我妻教育〜番外編〜
教室に置き忘れた教科書や文具がなくなっていることが。



あとから見つかることが多いんだけど、元のキレイなカタチのまま戻ってくることはなかった。



だけど、


「悔しくないよ」


ボクは言った。



「…なんで?」


キラトは驚いたように目を見開いた。



「こんなのは、ささいなことさ。

ボクに何か言いたいことあるのに姿を見せずに卑怯なマネしかできないヤツを相手にしてやるヒマはないよ。

それに教科書をきちんと持って帰ってればすんだ話だったからね。

また買えばイイだけの話サ(^_-)-☆」




こんなのに心をさいてる余裕はない。



ボクが越えなければならないのは、姿を見せない卑怯なヤツなどではなく、絶対王者として君臨する啓志郎ただ一人なのだから。




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